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第3回「睡眠薬の副作用が心配」

不眠症と診断され、睡眠薬1錠を1ヶ月以上にわたり毎晩服用しています。睡眠薬をのむと眠れますが、副作用が心配なので、できれば安定剤をのんで寝たいのですがどんなものでしょうか。
(48歳、主婦)

睡眠薬に関しては誤解が多く、心配しながら服用されている人が多いようですので、それを取り上げて説明してみます。

  1. 確かに過去にはバルビタール睡眠薬の連用で中毒になった人がいました。しかし、最近の睡眠薬は安全性や依存の形成などの点で著しく改善され、睡眠薬中毒者は人格障害が基礎にある場合にほぼ限られます。
    ただし、通常の使用量でも連用中の睡眠薬を急激にやめると、最初の1-2日の眠りが悪化することや、薬をやめると眠れないのではないかいう不安から薬から離れられない常用量依存といえる人がいるのは確かです。だからといって特別の副作用が報告されているわけではありません。
  2. 睡眠薬は怖いので安定剤をのんでいるという人がいます。しかし、薬理作用は殆ど同じであり、いずれも不安を鎮め、筋肉の緊張を弛緩させ、眠気を催し、痙攣を止める作用をもっています。
    催眠作用が強いか、不安を鎮める作用が強いかの違いによって両者は区別されているだけのことです。したがって、量が多過ぎた場合は、ふらつき、だらしさ、眠気が起こる点でも同じです。
  3. 睡眠薬をのむと呆けるのではないかと心配される人が多いようですが、そのようなことは証明されていません。ただし、睡眠薬をのんだ後に、自分がとった行動を憶えていないという一過性の健忘が生じることが稀にあるので注意が必要です。これは呆けとは異なる現象なのですが、睡眠薬で呆けが生じると勘違いされる理由の一つのようです。
  4. 睡眠薬は薬の中では安全なほうであり、大量服用しても適切な処置を受ければ命取りになることはまずありません。しかし 、アルコールと一緒に服用したときは思わぬ事故につながることがあり得ます。
  5. 医師は、不眠のタイプに応じて睡眠薬の作用時間の長さなどを考慮して睡眠薬を処方しますが、医師を信頼し、、睡眠薬の安全性を信じて服用することが大切なことです。そして、眠れるようになり、眠りに対する不安がなくなってから、医師の指示に従ってやめることです。

不眠症は夜のみの問題でなく、24時間にわたる心身の不調をもたらします。
眠れない夜を悶々として過ごし、昼間から夜の睡眠のことを心配したり、睡眠不足で眠い昼間を過ごすよりも、睡眠薬を使用して良い睡眠をとり、作業能率を改善し、、昼間の生活の質を向上させるべきだというのが睡眠障害治療医の最近の考え方です。